労災の後遺障害 ~等級認定申請の流れ~

労災における後遺障害

労働災害で負ったケガや疾病に対して治療を行ったものの、完全に事故前の状態には戻らず、身体に何らかの症状「後遺障害」が残ってしまうことがあります。このように、症状の回復がこれ以上見込めない状態を「症状固定」といい、その場合には、労災保険に障害等級を認めてもらうための申請を行います。

労災事故によるケガが原因で事故前の健康な状態に戻らない状態となり、医師より症状固定と認められた場合、後遺障害の認定を受けられる可能性があります。後遺障害認定の申請を行い、等級認定されることで、等級に応じた補償を受けることできます。労災による後遺障害といっても、その内容や程度はケースによってまったく異なり、補償の必要性や補償内容についても個別の検討を要します。そのため、労災保険においては、法令に基づいて障害等級が第1級から第14級まで定められており、第1級が最も重い後遺障害となっています。

適切な後遺障害等級認定を受けるには ~等級認定の申請の流れ~

労働災害で負ったケガや疾病の治療をしたものの、事故前の状態には戻らず症状固定となった場合、労働基準監督署へ障害(補償)給付の申請を行い、後遺障害等級の認定を受けることで等級に応じた補償を受けることができます。適切な補償を受けるには、ケガの治療から申請の手続きまでいくつかのポイントがあります。

◆症状固定するまで治療を継続する

後遺障害認定を受けるためには、まず治療を受け、医師から症状固定の診断を受ける必要があります。症状固定とは、労災で負ったケガなどについて、治療やリハビリを継続してもこれ以上の症状改善が見込めないことをいいます。症状固定は、医学的な判断であり、治療を受け持っている医師が時期を決定します。そのため、ご自身の判断で治療を怠ることは避け、担当医師の治療方針を確認し、医師の指示に従って症状固定まで継続してきちんと治療を受けるようにしましょう。治療を怠ると、ケガや病気の症状が軽いと判断され、後遺障害等級認定を受けにくくなります。また、治療において必要な検査はきちんと受けましょう。CTやMRI、レントゲンや心電図検査など、医学的な根拠に基づいた情報をきちんと収集しておくことで、ケガによる異常の原因を証明することにつながり、後遺障害等級認定を受けられる可能性が高まります

◆後遺障害認定を受けるための資料を集める

労災で後遺障害認定を受けるためにはさまざまな資料が必要となりますが、必ず必要になるのが医師の作成した後遺障害診断書です。これは、後遺障害の内容に特化した診断書です。労災保険の等級認定専用の書式があるので、その書式によって医師に作成してもらう必要があります。後遺障害の認定は、提出先の労働基準監督署長の判断により認定の可否が決まるため、医師の診断書は大変重要です。また,他にも症状の内容や程度を示すための検査結果などの資料が必要になることもあるので、必要に応じてレントゲンやCT、MRIなどの画像も準備しましょう。

◆労働基準監督署に障害(補償)給付の申請をする

必要な資料を揃えたら、労働基準監督署に対し障害補償給付の申請をします。勤務中の業務災害の場合は「障害補償給付支給請求書」(様式10号)、通勤中の通勤災害の場合は「障害給付支給請求書」(様式16号の7)という申請書類を、労働基準監督署長に提出することになります。なお、給付の申請には時効があり、傷病が治った日(症状固定日)の翌日から5年経過すると請求権が消滅するのでご注意ください

◆後遺障害等級の審査が行われる

労働基準監督署に給付金の申請書と診断書等の資料を提出すると、提出された障害(補償)給付支給請求書をもとに、事故内容や後遺症の有無や内容、程度などについて調査を行います。また、労災の後遺障害認定の手続きでは、等級認定の判断をするために原則として労働者本人との面談を行ないます。

◆後遺障害等級が認定される

労働基準監督署による調査が終了すると、得られた結果にもとづいて、後遺障害認定基準に該当するかどうか、判断されます。後遺障害認定基準に該当し、労災が原因であることが明白となれば後遺障害認定を受けることができ、等級に応じた補償を受けることができます。反対に、症状がなかったり後遺障害認定基準に合致しなかったり、あるいは労災と症状との因果関係を否定されてしまったりすると、後遺障害として認定されません。後遺障害が認められなければ、障害補償給付を受け取ることはできません。

◆審査結果の通知と給付

労働基準監督署での審査が完了し等級認定されると、原則として支払決定通知と支払振込通知のハガキが厚生労働省から送付されてきます。等級認定されなかった場合は、不支給決定通知が送られてきます。障害(補償)給付は、その通知の送付前後に振り込まれることになります。

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