労働災害と後遺障害・等級認定

業務または通勤の際に負ったケガや疾病の治療をしたものの、身体に一定の障害(後遺障害)が残っているとき、労働者の請求に基づいて、業務災害の場合は障害補償給付が、通勤災害の場合は障害給付が支給されます。

「後遺障害」とは、労働災害で負ったケガや疾病に対して治療を行ったが治りきらず、身体に何らかの症状が残ってしまった状態をいいます。後遺障害の種類として、機能障害(関節の可動域に制限が生じるなど)、欠損障害(手指、腕や脚を失うなど)、神経障害(麻痺や痛み、だるさなど)などがあります。

後遺障害は症状の程度に応じて14段階で区分されており、第1級から第14級までの等級があります。数字が小さいほど障害が重く、補償が手厚くなります。1級から7級については継続的に年金が支給される「障害(補償)年金」が、8級から14級については一時的に支給される障害(補償)一時金が支給されます。

【障害等級表】

◆第1級 ・両目が失明したもの
・そしゃく及び言語の機能を廃したもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・両上肢をひじ関節以上で失ったもの
・両上肢の用を全廃したもの
・両下肢をひざ関節以上で失ったもの
・両下肢の用を全廃したもの

◆第2級 ・一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
・両眼の視力が0.02以下になったもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
・両上肢を手関節以上で失ったもの
・両下肢を足関節以上で失ったもの

◆第3級 ・一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
・そしゃく又は言語の機能を廃したもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
・両手の手指の全部を失ったもの

◆第4級 ・両眼の視力が0.06以下になったもの
・そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの
・両耳の聴力を全く失ったもの
・一上肢をひじ関節以上で失ったもの
・一下肢をひざ関節以上で失ったもの
・両手の手指の全部の用を廃したもの
・両足をリスフラン関節以上で失ったもの

◆第5級 ・一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・一上肢を手関節以上で失ったもの
・一下肢を足関節以上で失ったもの
・一上肢の用を全廃したもの
・一下肢の用を全廃したもの
・両足の足指の全部を失ったもの

◆第6級 ・両眼の視力が0.1以下になったもの
・そしゃく又は言語の機能に著しい障害を残すもの
・両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
・一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・せき柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
・一上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
・一下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
・一手の5の手指又は母指を含み4の手指を失ったもの

◆第7級 ・一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
・両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・一手の母指を含み3の手指又は母指以外の4の手指を失ったもの
・一手の5の手指又は母指を含み4の手指の用を廃したもの
・一足をリスフラン関節以上で失ったもの
・一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
・一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
・両足の足指の全部の用を廃したもの
・外貌に著しい醜状を残すもの
・両側のこう丸を失ったもの

◆第8級 ・一眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
・せき柱に運動障害を残すもの
・一手の母指を含み2の手指又は母指以外の3の手指を失ったもの
・一手の母指を含み3の手指又は母指以外の4の手指の用を廃したもの
・一下肢を5センチメートル以上短縮したもの
・一上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
・一下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
・一上肢に偽関節を残すもの
・一下肢に偽関節を残すもの
・一足の足指の全部を失ったもの

◆第9級 ・両眼の視力が0.6以下になったもの
・位置眼の視力が0.06以下になったもの
・両眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
・両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
・鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
・そしゃく及び言語の機能に障害を残すもの
・両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
・一耳の聴力を全く失ったもの
・神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
・一手の母指又は母指以外の2の手指を失ったもの
・一手の母指を含み2の手指の用を廃したもの
・一足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
・一足の足指の全部の用を廃したもの
・外貌に相当程度の醜状を残すもの
・生殖器に著しい障害を残すもの

◆第10級 ・一眼の視力が0.1以下になったもの
・正面視で複視を残すもの
・そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの
・14歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
・一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
・一手の母指又は母指以外の2の手指の用を廃したもの
・一下肢を3センチメートル以上短縮したもの
・一足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
・一上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
・一下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

◆第11級 ・両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
・両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
・一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
・10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
・一耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・せき柱に変形を残すもの
・一手の示指、中指又は環指を失ったもの
・一足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

◆第12級 ・一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
・一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
・7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・一耳の耳かくの大部分を欠損したもの
・鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
・一上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
・一下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
・長管骨に変形を残すもの
・一手の小指を失ったもの
・一手の示指、中指又は環指の用を廃したもの
・一足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
・一足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
・局部にがん固な神経症状を残すもの
・外貌に醜状を残すもの

◆第13級 ・一眼の視力が0.6以下になったもの
・一眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
・正面視以外で複視を残すもの
・両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
・5歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
・一手の小指の用を廃したもの
・一手の母指の指骨の一部を失ったもの
・一下肢を1センチメートル以上短縮したもの
・一足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
・一足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの

◆第14級 ・一眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
・3歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・一耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
・上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
・下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
・一手の母指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
・一手の母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
・一足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
・局部に神経症状を残すもの

【障害補償年金・傷害補償一時金】

障害補償年金、傷害補償一時金の金額は等級によって異なり、その金額は「給付基礎日額」に基づいて計算されます。「給付基礎日額」とは、「労災事故が発生した日から直前の3か月分の労働者に対して支払われた給料」を、「3か月分の日数」で割った額のことで、それぞれの等級に応じた日数分をかけることで、年金額を計算することができます。
『年金額=給付基礎日額×特定の日数』

◆障害補償年金

障害等級1~7級の場合、障害補償年金として、年金として給付が行なわれます。障害等級に応じて、当該障害が残る期間中、1年につき給付基礎日額の131~313日分が給付されます。

第1級:313日分
第2級:277日分
第3級:245日分
第4級:213日分
第5級:184日分
第6級:156日分
第7級:131日分

◆障害補償一時金

障害等級8~14級の場合、障害補償一時金として、給付額が一括払いされます。一時金のため、一度支払われたら支給は終わりとなり、給付基礎日額の56~503日分が支給されます。

第8級:503日分
第9級:391日分
第10級:302日分
第11級:223日分
第12級:156日分
第13級:101日分
第14級:56日分

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